コーヒー豆の精製
コーヒーの実(チェリー)は収穫してからそのまま放置しておくと短時間で腐敗します。
外皮、果肉等を除去し、種子(コーヒー)を取り出す作業を精製といいます。
精製する事により、長期の保存や流通に耐えられるようになります。
この精製方法には、ナチュラル(非水洗式) ウォッシュト(水洗式)、それらの中間的なセミウォッシュト、パルプドナチュラル等があり、どの精製方法を施したかで、コーヒーの香味に大きく影響してくる大切な作業です。
ナチュラル(非水洗式)
アンウォッシュトともいわれるこの方法は収穫後、チェリーを天日乾燥し、そのまま果肉と種子(パーチメント)を同時に脱穀する方法ですが、未熟豆や異物の混入が多いのが難点です。
しかし、完熟したチェリーから作られたコーヒーは、やわらかく複雑な香味と十分なコクがあります。
ウォッシュト(水洗式)
収穫したチェリーを水槽に入れ、水に浮く未熟豆やゴミ等の異物を取り除く事から始めます。(小石や砂は、水に沈ませて除去)
その後、パルパー(果肉除去機)にかけて果肉を取り除き、パーチメントに付着しているミューシレージ(粘液)を発酵槽で10~40時間程かけて分解し、除去します。
最後に、水洗してから天日やドライヤーで乾燥させます。
手抜きのない、しっかりした作業をすると綺麗で澄んだコーヒーになりますが、作業工程が複雑で、不備があると香味にダメージがでたりします。
セミウォッシュト
収穫したチェリーを果肉とともに、パーチメントに付着しているミュージレージも機械で取り除く方法です。
発酵の工程から短縮されるので効率的で、発酵中に発生しやすい劣化も防げます。
水の使用量が比較的少ないので、排水で環境を汚染しにくいという利点もあります。
香味はウォッシュトに近くなります。
パルプドナチュラル
パルパーで果肉を脱穀してから、ミューシレージを除去しないまま、パーチメントを天日で乾燥させます。
ナチュラル精製に比べると、未熟豆の混入が減るので異臭が出にくくなります。